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お伽草子ー美少女が好きな日本人。

岩波文庫/島津久基編校

2013.07.10


岩波文庫/島津久基編校

岩波文庫の「お伽草子/島津久基編校」を読んで暫く経つが、なかなか感想をまとめられずに時間が経ってしまった。
収録されていたのは、以下の18編。
文正草子/唐糸草紙/花世の姫/磯崎/弁の草紙/猿源氏草子/浦島太郎/一寸法師/福富草子/猫の草紙/梵天国/毘沙門の本地/三人法師/天狗の内裏/酒呑童子/藤袋の草子/朝顔の露の宮/かくれ里
こちらに複写(著作権切れのもの)のPDFがあったので貼っておこう。各編を思い出すのに役立った。
http://uwazura.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_369a.html
それぞれに面白かったので、各話読後に感想を付けて行った方が良かったのだけれども、ここは、思い出しながらコメントを付けていくことにする。

●文正草子

実直かつ誠実な人が成功して金持ちとなるが、長い間、子供に恵まれなかった。神への祈願で美しい娘二人を賜るが、娘らは亡き母を弔うことを理由に何処へも嫁ごうとしない。
いずれ、皇子やら帝に嫁ぐのだけれども。かぐや姫にも、わらしべ長者にも通じる要素があると思った。

●唐糸草紙

歴史もの。捕らえられた母を思うスリリングな状況下での童女の活躍は、活劇のような華やかさだ。宮崎駿に読ませたら新作を作るかも知れない。

●花世の姫

鬼の力は強く恐ろしいものだが、それは幸せにも働く。禍つものを祭り、神とするのは日本の伝統と言えよう。
継母譚でもあり、なかなか起伏に富んだ物語。
13歳で行方不明の娘が、14歳で婿を連れて帰って来るのは、婿の位が高くとも、父親の気分は複雑であろう。

●磯崎

地方の大名の女房が嫉妬から人食う鬼女となる。肉付き面の話。しかし、最後は案外聞き分けが良い。

●弁の草紙

美しい男子が父の遺言で出家の道を歩む。僧同志にも慕い会うことがあるのは昔からだ。みんな死んでしまう、切ない物語。

●猿源氏草子

鰯売りが花魁に恋し、大名を騙って良い仲になる。この鰯売り、なかなか機転が効く奴で、歌の道も心得ている。ユーモラスな一遍。

●浦島太郎

絵本で読んだ浦島太郎より、少しリアルで、少し切ないかもしれない。

●一寸法師

これはよく知られる童話と大差は無い。しかし、じっくり読むとなかなかのファンタジーであり、アドベンチャーだ。

●福富草子

ちょっと落語のような話。芸事で富める男の家の隣に、貧しい夫婦があった。貧しい家の嫁は元々鬼嫁と揶揄される容姿。夫に隣の家に頼んで芸を覚えて稼げと迫る。
夫は、言われるがまま、隣家の主に頼み込む。隣家の主は、秘伝の薬があるのだと快くくれてやる。男は、芸を披露しようと貴人の前に立つのだが…。

●猫の草紙

「生類憐みの令」が猫に出されたら鼠が困ったというような話。猫と鼠、それぞれの言い分を語る。どちらかと言うと鼠に同情的な視点。

●梵天国

現世、天界、冥府を交え、失った嫁を取り戻す物語。なかなかスケールが大きい。

●毘沙門の本地

これも亡くなった嫁を取り戻しに行く冥界訪問譚。主人公の人徳なのだろうか、次々と救いの手が差し伸べられる。

●三人法師

現代で言えばミステリーだろうか。高野山の山中にて修行する三人の僧がそれぞれに出家の理由を語り合う。

●天狗の内裏

源氏義経が天狗の手引きにより、父、義朝に会い、後の出来事を予言される。義朝は、天上の高い位にいるのだが、その復讐の執念は恐ろしい。

●酒呑童子

鬼にさらわれた女ら(貴人の姫君たち)を救うために、鬼らの本拠地に乗り込む武人の一向。鬼から振舞われる女の血の酒や内腿の肉を平然と平らげるのは、流石、つわものだ。

●藤袋の草子

グリム童話を髣髴とさせる。父親は、自分の利益のために娘の将来を異界のものに委ねてしまうのだ。異界のものとは猿である…。

●朝顔の露の宮

前半、皇子の年端の行かない娘(露の宮)を口説く所が読みどころ。だが、露の宮は継母の某略で山奥に捨てられてしまう。皇子は娘を求めて日本中を歩き回る。
娘は、老婆の庇護の元に生きながらえていたが歳若く死んでしまう。皇子は娘の墓に辿り付くが死んでしまう。古代風な恋の狂惜しさと切なさの詰まった物語。

●かくれ里

迷い込んだ隠れ里は、鼠の都であった。単純な異界訪問譚かと思いきや、鼠を使いとする大黒天と、狛犬を従える恵比寿との壮大な戦争に発展しそうになる。
初めから終わりまでフィクションなのだけれども、遊戯性に富んだ発想の大胆な飛躍には舌を巻く。

さて、ざっとお伽草子の各編を振り返ってみた。やはり、ひと括りにどういうものだとは言い難い。
しかし、草子というものが庶民の読みものであったことを考えると、日本人は非常に豊かな物語文化を共有してきたことが分かる。
分析はしないが、それぞれの物語は毛色が違うにも拘らず、懐かしさと親しみを覚えさせるものだった。
美少女が最も貴いという観念は古代から現代にまで通じているようだ。


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