Home > 広告戦略の話題 TOP > 無料ソフトを使ったチラシ・パンフレットの制作と入稿について。
以前、こちらの記事「チラシ・パンフレット制作に役立つかもしれない無料ソフト。」で、『Inkscape』や『Scribus』、『GIMP』等のフリーウェアが、チラシ・パンフレット作りに役立つかも知れない、と書きました。現在も、こちらへのアクセスが多いので、補足的な記事を書いておきます。
実際、これらのソフトで入稿用原稿を作成することは、不可能ではありません。具体的には、ペラものであれば、Inkscapeでレイアウト(トンボの制作や、文字のアウトライン化は必須です)したものを、GIMPの『Separate+』プラグインでCMYK化し、psd形式(解像度350dpi)で保存すれば、画像原稿として入稿可能でしょう。
また、ページものであれば、Inkscapeでレイアウトしたものを、Scribusで読み込み、CMYK化し、PDFデータで出力すれば、印刷に支障の無いデータが出来上がると思います。しかし、問題は、これらの原稿を積極的に受け入れている印刷業者が限られていることです。「Inkscape 入稿」とか「Scribus 入稿」、「GIMP 入稿」で検索しても、表示される業者は限られていますよね。価格より、お付き合い重視の印刷会社さんなら、相談次第で対応してくれる可能性は高いと思います。
しかし、フリーソフトを活用してチラシやパンフレットを制作したい、と考える人の多くは、コスト削減を目的にしているのではないでしょうか。そうならば、印刷は、格安のネット通販印刷業者しか選択肢は無いと思います。
ほとんどの格安のネット印刷サービスは、InkscapeやGIMPでの入稿はサポートしていません。例えば、或る業者では入稿時に、原稿作成環境から、使用アプリのバージョンまで記入しなければなりません。例え、フリーソフトで印刷に支障のない原稿ができたとしても、入稿時に躓いてしまいます。相談すれば、受け付けてくれるかもしれませんが、私は知りません。印刷会社によって対応は異なるでしょう。元々、印刷業は、装置産業であり、規模が大きくて稼働率が高い業者ほど安い料金を実現できるので、料金が安い業者ほどイレギュラーな入稿は避けたいはずです。
それでも、最近は、格安業者でも、世間一般にニーズの高いOffice製品(Word,Powerpoint等)での入稿に対応しています。Office製品はもちろん有償ソフトですが、ここでは普及率が高いと考えて話を進めます。
WordやPowerpointの原稿作成能力には限界があります。しかし、中身となる部分を、Inkscapeで作り込み、GIMPで、レイアウト(文字を含む)を丸ごと高解像度の画像(カラー なら350dpi)にしてWordやPowerpointに貼り込めば、創造性の高いデザインを実現できます。恐らく、この場合、CMYKへの変換は、印刷業社側で行う場合が多いと思いますので、RGBのままで大丈夫かと思います。
もう一つ、Adobe製品以外で作成したPDF原稿の入稿を受け入れている印刷会社は、InkscapeやScribusで作成したPDFデータを受け入れ易いと思いますので、やはり時間や手間は必要ですが、問い合わせてみると良いかも知れません。
本記事や前記事のタイトルに期待し、「フリーソフトで何でも入稿できるんじゃないのか」と、がっかりした人も多いと思います。私自身、特定企業のアプリが必須だったり、印刷の約束事の多さには辟易とし、早く改善してくれることを願って止みません。今のところ、ネットを通じて印刷の価格破壊は起こりましたので、本記事では、現状において最善と思われる方法を紹介しました。
※フリーソフトの使用はくれぐれも自己責任でお願いします。
※本記事を参考に入稿された場合のトラブルについて、当方は、一切関知しません。
2013.04.19
記事制作:管理人
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